ある人はこう言いました。
「ここに来ることが、京都旅行の目的になった」と。
独創的な両川の世界観には、ここでしか味わえない魅力があります。
お酒と料理を愉しむ
それを支えるのは30年近く料理に携わってきた店主の経験と感性です。
継ぎ足しながら受け継がれる名物の煮込み。丹念に作り込まれるソースはすべて店独自のもの。
昔から親交のある物書きの方が
こんなふうに綴ってくださいました。
「“お料理と飲みごろのお酒”という枕詞がぴったりの、肴と酒を中心とした店。ただの“居酒屋”と呼ぶには惜しいほど、料理のクオリティは高く、それでいて価格は割烹未満。」
魚は天然ものを店内で寝かせ旨みを引き出してからお造りとしてご提供。
肉は青森や丹羽から取り寄せ、シンプルに焼いたり煮込んだりしながら、香り豊かな風味で仕上げます。
野菜は丹後や信州から届く新鮮な旬のものを使用しています。
「すべての素材と調味料と“旨み”の観点から研究し独自の味を確立している」という言葉の通り味わいの設計は非常に緻密です。
お酒も丁寧に選び、充実させてます。
日本酒は、開店当初からの蔵元と共に、料理との相性を追求。
酒質に応じて適切に管理され、10年熟成の希少な生酒が登場することもあります。
ワインは吉河ソムリエがセレクト。両川の料理に寄り添う一本を提案します。
通からビギナーまでご好評いただいています。
2004年の開店以来、変わらぬ佇まい。
使い込まれた席には、年月の趣があります。
40年ぶりの同窓会、
映画のような時間が流れた事もありました。
この場所が記憶に残る
ひとときとなりますように。
2002年、四条堀川に五席だけの
小さな店「一嬉」がありました。
母が丁寧に炊いた鯖煮は、
今も両川で受け継いでいます。
俳優・松重豊さんとのご縁を
つないでくれたのも、
堀川時代の母でした。
「一嬉の鯖煮」
この鯖煮には母との思い出が詰まっています。
両川を始める前、母は四条堀川で
五席だけの鯖煮定食屋を
営んでいました。
屋号は「一嬉」です。
苦労の多かった母に何か親孝行がしたいと思っていた頃、
堀川に小さな物件を見つけました。
両川の開店資金を使って
母に店をプレゼントし、
仕事終わりに友人や仲間と
少しずつ内装を仕上げました。
大変やったけど、楽しい時間でした。
開店当初は暇で(笑)
近所にチラシを配ったことも。
そんな頃、ふらりと店に
来てくださったのが
俳優の松重豊さんでした。
堀川の店に何度も通ってくださり、
その後は両川にも。
「この鯖煮を食べると
仕事が増えるんだよ」
「元祖孤独のグルメだぁ」と
笑っておられたのを覚えています。
やがて建物の取り壊しが決まり、
一嬉は店を閉じました。
母が入院した際には、
松重さんに相談に乗っていただいた
こともあります。
病床でも母は店を気にかけ、
「働いてる皆は元気?」と。
澄吉や余白 store、二階の図面を
見せると喜んでくれました。
母は三年前に旅立ちました。
まるで店の休みに合わせたかのように、
静かに息を引き取りました。
最後まで店を気にかける姿に
「商売している母やなぁ」と、
母らしさを感じます。
葬儀にはお忙しい中、松重さんも
足を運んでくださいました。
本当に義理堅く、温かい方です。
その後も気にかけてくださり、
Netflixの番組
『隣りの国のグルメイト』で
ソン・シギョンさんと
両川に来てくださいました。
堀川時代や鯖煮の話も
作中でしてくださっています。
ぜひご覧ください。
母が亡くなったことは、
お客様に気を遣わせないよう
普段はあまりお話ししていません。
店ではいつも通り、
皆さんに楽しく過ごしていただく。
それが、この仕事を続ける上で
大切にしていることのひとつです。
ちなみに母は写真が嫌いでした。
そんな母が
「松重さんとなら撮る」
と言って撮った一枚。
久しぶりの方も初めての方も
ぜひ鯖煮食べにお越しください。
一嬉の鯖煮は両川でお召し上がり
いただけます。
変わらない味を守るため
数に限りがございますが、
ぜひご賞味いただければ幸いです。
(昼) 一嬉の鯖煮定食
(夜)お任せの〆でお選びください
アラカルトでは一嬉乃鯖しぐれがございます。
烏丸御池から徒歩5分
京都らしい昔ながらの町並みにあります。
両川 Ryosen
昼
夜
アラカルト(お席のみ)の場合も来店直前のキャンセル、ご連絡なくご来店されなかった場合には、誠に恐縮ではございますが、お一人様あたり2500円のキャンセル料を頂戴いたします。
ご予約に合わせてスタッフの配置や準備の
事前にコストが発生するためです。
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